【「想定外」をチャンスに変える!】クランボルツのプランドハプンスタンスとは | nanase for life

【「想定外」をチャンスに変える!】クランボルツのプランドハプンスタンスとは

プランドハプンスタンス メイン画像 キャリアカウンセリング

「思いもよらない部署に異動になった」「コロナで仕事が激減した」「病気で休職することになった」などなど…。おそらく誰もが、自分のキャリアに「想定外」のことが起こる経験をされるのではないでしょうか。

 

予測不可能なことの方が多い人生。長期的なキャリアプランも大切ですが、それと同じくらい「想定外の出来事をチャンスに変える力」も大切。

 

本ブログでは、クランボルツのプランドハプンスタンス理論を使って、「想定外のことが起きても動じないコツ」「むしろその出来事をチャンスに変えてキャリアを作っていくコツ」をご紹介します!

 

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※ブログをご一読頂いた後のご使用をお勧めします

プランドハプンスタンスとは

プランドハプンスタンス(planned happenstance theory)は「計画された偶発性理論」と訳されます。

 

理論のポイントを簡単にご紹介します♪

1999年アメリカの心理学者クランボルツによって提唱された理論 
明確な目標設定と達成計画を重視する従来のキャリア理論と異なり、想定外(偶然)の出来事を意識的に取り込んで望ましいキャリアを作り上げるという考え方が基本 
想定外の出来事をチャンスに変えるためには5つの力(後述)が必要 
想定外の出来事が望ましいキャリアに繋がったとき、その偶然があたかも「自分と出会うために計画されていた偶然」のように思えることから「計画された偶発性」(planned happenstance)と名付けられた

想定外をチャンスに変える5つの力

「5つの力」がどんな力なのかを早く知りたいな~。

 

クランボルツは、多くの事例を収集・検証して「予期せぬ出来事をキャリアの好機へとつなげるスキル」を次の5つにまとめたんだよ。

 

①好奇心
躊躇わずに新しいことを学ぶ

②持久性
失敗しても努力し続ける

③柔軟性
状況の変化を恐れない

④楽観性
新しいことでも「出来そう」と思う

⑤冒険心
結果が分からなくても行動してみる
 

これら5つの力を具体的にイメージ出来るように、それぞれ例を挙げてご紹介します♪

好奇心

好奇心=躊躇わずに新しいことを学ぶ
 
好奇心
 

「好奇心」を発揮して想定外をチャンスに変えるパターンを、具体例を挙げて3種類ご紹介します。

 

例の内容はフィクションですが、私の日々のキャリアカウンセリングの経験から「こんなことありそう」という内容を考えてみました。

 

別の方向に興味を広げてみる
(例)
第一志望だった金融業界の企業が全て不合格だったため、金融業界の企業が主要顧客のIT企業に就職。入社後に技術に関する知識を基礎から学び、システムエンジニアとして活躍!
 

夢が破れたときは、ほかの新しい道へ進むチャンスでもあるんだね!

 
本当に好きなことを大切にする
(例)
人をサポートすることが好きで、不動産業界の営業事務職として働いていたが、病気の母の介護を機に「自分が本当に好きなことは、人の温もりを直接感じる機会が多い介護の仕事かもしれない」と自覚。将来の転職を見据えて、介護の資格の勉強を開始!
 

本当に好きなことを思い出したときは、思い切って一歩踏み出してみるという選択肢もあるかもしれません♪

 

ご縁があった仕事を頑張ってみる
(例)
車を運ぶバイトをしていたカーディーラーの店長から誘われて、正社員の営業職として就職。営業の仕事は初めてだったが、努力の結果、数字で成果が出せるようになった。ディーラーでの営業職の経験を評価されて、夢だった音響機器メーカーへ転職!
 

なんとなく始めた仕事でも、そこで新たに学んだことが将来のキャリアに役立つこともあるんだね。

持久性

持久性=失敗しても努力し続ける
 
持久性
 
「持久性」を発揮して想定外をチャンスに変えるパターンも、具体例を2種類ご紹介します。

 

諦めずに何度も挑戦する
(例)
大学4年時に教員採用試験を受験したが不合格。教員を諦めて民間企業へ就職することも考えたが、教員になることを諦められず、卒業後は臨時的任用教員として働くことに。学校現場の経験により、次年度の採用試験では1次試験が免除となり見事合格!
 

試験が不合格でも、何度も挑戦する。まさに「持久力」で夢を実現したパターンですね!

 
他のことに挑戦する
(例)
公務員試験を2回受験したが不合格。悲嘆にくれていたが、公務員としてやりたかった「社会的に弱い立場の人の役に立つ」ことは、非営利法人でも出来ると考え、障がい者支援施設を運営する社会福祉法人へ就職。
 

あれ?公務員試験を受けるのを辞めたのに「持久力がある」と言えるのかな…?

 

失敗から学び、前向きに人生を進むことを諦めないで、他のことに挑戦すること」も持久力と呼んでいるよ。

柔軟性

柔軟性=状況の変化を恐れない
 
柔軟性
 
「柔軟性」を発揮して想定外をチャンスに変えるパターンも、具体例を3種類ご紹介します。
 
良くない選択肢には固執しない
(例)
大手銀行で働く父親の影響で、自分もメガバンクに就職。この仕事に就くために沢山の努力を重ねてきたが、イメージと現実のギャップが大きく、仕事内容に全く興味が持てず憂鬱な毎日。父からは「辞めるのはもったいない」と言われたが、興味があったエンタメ業界の企業へ転職。
 

クランボルツは「始めたことはやり通さなくてはいけないと思い込むことは危険だ」と言っています。

 

「今まで沢山の時間・気力・お金を投資してきた道だから、今さら辞めるわけにはいかない」と思いすぎる必要もないんだね。

 

 

1つの仕事に固執しない
(例)
どうしても客室乗務員になりたかったので、グランドスタッフや空港保安検査員の内定は辞退して、ホテルに就職。しかし航空や空港への想いが強く、内定を辞退したことを後悔。空港内の店舗で化粧品の美容部員として働く仕事に転職したところ、やりがいを感じながら働けている。
 

ひとつの仕事を追い続け過ぎて、視野が狭くならないようにすると良いかもしれないね!

 
優先順位を見直す
(例)
外資系コンサル企業の営業課長として働いていたが、突然の病に倒れてしまった。一命は取り留めたが、医師から就業制限をするよう指示があった。人生の優先順位の一番が「仕事のやりがい」から「健康」に変わり、実家の家業を無理のない範囲で手伝うことにした。
 

病気、事故、自然災害…いろんな要因で、突然状況が変化しちゃう可能性ってあるよね。

 

結婚、出産、離婚、介護なども状況変化の要因になると思う。そんなときは人生の優先順位を見直して、新しい道に進んで行けると良いかもしれないね。

 

楽観性

楽観性=新しいことでも「出来そう」と思う
 
楽観性
 
「楽観性」を発揮して想定外をチャンスに変えるパターンも、具体例を3種類ご紹介します。
 
自分を過小評価しない
(例)
募集要項の「尚可」条件に「営業経験3年以上」「マネージャー経験」など、「自分では難しいかもな…」と感じる記載があったが、思い切って応募。すると、前職の経験と人間性が評価されて内定を獲得できた。
 

募集要項を見て応募を諦めてしまうのはもったいない!自分の経験や力は、自分が思う以上に評価されることが多々あります。

 

成功できると信じる
(例)
これまで何社も不合格だった。でも、だいぶ面接にも慣れて来たし、不合格だった面接から学べたこともある。「次こそはきっと大丈夫」と信じて面接を受けたら内定を獲得できた。
 

クランボルツも「成功できると信じれば、成功するチャンスは飛躍的に高くなる」と言っています♪

 

助けてくれる人に頼る
(例)
起業するにあたってホームページを作ろうと思ったが、なかなか1人では上手くいかない部分があった。思い切ってWEBデザイナーをしている友人に相談したところ、「この前転職の相談に乗ってもらったし、分からないことがあったら何でも聞いてよ。」と言ってもらえた。
 

何でも人に頼るのは違うけど、「困ったときは1人じゃない」という楽観性も大切なんだね。

冒険心

冒険心=結果が分からなくても行動してみる
 
冒険心
 
「冒険心」を発揮して想定外をチャンスに変えるパターンも、具体例を2種類ご紹介します。

 

失敗を恐れず行動してみる
(例)
バイト先の上司から「正社員として店長をやってみないか?」と声をかけられた。責任が重くなり、プレッシャーで辞めたくなってしまうのではないか…と思ったが、思い切って挑戦してみることに。
 

クランボルツは「どんどん失敗しよう」と言っています!

 

「失敗してはいけない」と思ってしまうけど、失敗しない人なんていないもんね。

 

 
成果が出そうなリスクを取る
(例)
自分の市場価値を知りたいと思い人材紹介会社に登録したら、ずっと興味があった海外営業の仕事でオファーがあり、内定を獲得した。今の会社に大きな不満はないため、転職するかどうかとても悩んだが、自分のキャリアが広がると考え、思い切って転職を決意。
 

今持っている大切なものを思い切って手放すことで、より価値のあるものが手に入るかもしれません♪

想定外をチャンスに変えるワークシート

プランドハプンスタンス理論を使って、想定外をチャンスに変えることが出来るようになるワークシートを作成しました!

 

ワークシートってどんな感じのものなの?

 

ご紹介した「5つの力」を自分が持っているかどうかをチェックして、不足している力があれば身に着けることが出来るようになるシートです。ぜひ使ってみてください♪

 

ワークシートをダウンロード

クランボルツってこんな人

そういえば、クランボルツってどんな人なんだろう?

ジョン・D・クランボルツ(John D. Krumboltz)
(1928-2019)
スタンフォード大学名誉教授。アメリカカウンセリング学会から3回表彰された経験あり。
 
クランボルツは、もともと「社会的学習理論」という理論に基礎を置いていました。その理論では「目標を設定して、その目標を達成するために学習をしていくことが重要である」とされてきました。
 
1979年:キャリア意思決定における社会学習理論(Social Learning Theory of Career Decision Making:SLTCDM)を提唱

1996年:キャリアカウンセリングにおける学習理論(The Learning Theory of Career Counseling:LTCC)を理論化
 
しかし、「社会の変化が激しく、先の見通しが立ちにくい近年においては、従来型のような計画的なキャリア形成が難しくなってきている」として、「計画された偶発性理論」を提言するに至りました。
 
1999年:計画された偶発性理論(planned happenstance theory)を提唱
 

2001年には、「慶應義塾大学キャリア・ラボ・シンポジウム」で「予期せぬキャリア上の出来事をいかに作り出すか」について講演したこともあります。

 

2004年には、レヴィンとの共著による『Luck is no Accident』を出版。翌年の2005年には『その幸運は偶然ではないんです!』と和訳されて日本でも出版されています。

参考文献

本ブログを書くにあたって参考にした本をご紹介します。

 

こちらのブログの内容は、私の解釈が含まれているので、ご興味がある方はぜひ書籍を手に取ってみてください♪

 

 

 

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